
特許法院は2024年10月31日、調理容器用蓋の特許侵害事件(2023ナ11276)で、被告の故意を認定し、2019年7月9日以後の侵害による損害に2倍の増額倍率を適用しました。本判決は、制度施行前から継続する侵害への経過規定と、故意および倍率の判断事情を示しています。

原告A社は調理容器用蓋の特許権者で、被告C社は真空ポットを製造・販売していました。裁判所が認定した主な経過は次のとおりです。
裁判所は、被告が特許を認識していたこと、ライセンス交渉の決裂後に製造・販売を開始したこと、侵害停止通知後も販売したこと、無効・権利範囲に関する不利な判断の確定後も販売を継続したことを故意の根拠としました。
被告が提出した特許無効に関する専門家意見は、侵害開始後に作成され、法的拘束力がない旨が記載されており、実際の手続結果とも一致しませんでした。経営陣の交代も、侵害継続に関する会社の故意を否定する事情とは認められませんでした。
被告は、侵害が増額賠償制度の施行前に始まったため、増額規定を適用できないと主張しました。裁判所は、附則が施行日以後に行われた侵害行為を適用対象とする趣旨であり、侵害が施行日以後に初めて開始された場合に限定されないと判断しました。したがって、施行前から継続する侵害でも、2019年7月9日以後の行為による損害には当時の増額賠償規定が適用されました。
裁判所は特許法第128条第4項の侵害者利益の推定に基づき、被告の総売上約501億ウォンに、国税庁の単純経費率92.4%から算出したみなし利益率7.6%を乗じ、さらに本件特許の寄与率20%を適用しました。基本損害額は約7億6,000万ウォンです。
寄与率について、裁判所は本件発明が密封性能と外観上の差別化に関係する一方、被告の逆止弁、パッキン構造、ハンドル等の他の特許・意匠、資本力および販売活動も売上に寄与したと判断しました。
2019年7月9日から2022年10月31日までの損害約8,800万ウォンには2倍の倍率が適用されました。裁判所は、当事者間の規模と取引上の地位、故意の程度、侵害期間と数量、侵害による経済的利益、被告の財政状態および是正努力を考慮しました。
最終認容額は8億5,066万4,056ウォンで、これに判決が定めた期間別の遅延損害金が加算されました。
本判決は2019年当時の最大3倍制度に基づく事案です。その後の法改正による上限や適用時期は、各侵害行為の時点を基準に別途確認する必要があります。